愛知県立知立東高等学校

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主権者教育

令和5年度

総合的な探究の時間「知立市の未来を考えるシンポジウム」

 9月21日(木)の午後、「知立市の未来を考えるシンポジウム」と題し、知立市の地域課題とその解決法をテーマとして、本校代表生徒と知立市役所職員の方々で対話をしました。
 本校では第1学年を中心に、総合的な探究の時間において、知立市の地域課題を見いだし、その解決策を考え発表するという取り組みをおこなっています。 今年度第1学年では、6月から9月まで、「多文化共生」をテーマとした探究活動を続けてきました。このシンポジウムはその成果を発表するとともに、 自らの提案が現実社会において通用するかどうかを考える機会となります。
 当日は、知立市役所企画政策課から永田様、浜口様をお迎えし、生徒の提案について疑問点や改善点を指摘していただきました。また、生徒と市役所職員の方々の対話が上手くいくように 岐阜大学教育学部から田中伸先生をお招きし、シンポジウムのコーディネーターをお願いしました。
 まず、1年生の2グループが「多文化共生」についての発表を行いました。そして、2年生の岡本さん、香西さんが知立市の環境美化について提言を発表した後、 1年生の永井さんが「多文化共生ウィーク」と題した提言を行いました。
これらの発表について、永田様および浜口様から実現するための問題点などを指摘していただき、シンポジウムが始まりました。どちらの提案も知立市の現状と照らし合わせ上で どのように実現を目指すかを市役所職員と生徒で対話しました。例えば、2年生の提言のなかであった、「草の未整備に対して罰則規定を設ける」というアイデアに対して、 市役所職員の方からはその罰則を科す場合の判断基準はどうするのかという問いや、だれが違反を判断するのかという疑問が投げかけられ、生徒はその解決策として、 草が生えて交通に支障が出るような箇所を学校が生徒からとりまとめ、市役所に通報するなどの意見がでました。1年生の「多文化共生ウィーク」について、 提言のなかでウィーク中に外国人住民向けの「お悩み相談会」を実施するというアイデアに対し、知立市では年中相談にのっていることを指摘され、ウィークという限定された期間で行う 必要があるかという指摘がありましたが、生徒からはウィークというものを通じたきっかけ作りが必要という答えもあり、市役所職員の方々と現実の社会を意識した対話をすることができました。
 シンポジウムの後半では、壇上でのやりとりを聞いていた生徒も、コーディネーターからの呼びかけに応え、多くの生徒が対話の内容について自らの意見を述べました。 時間がなくすべての生徒の意見を聞くことはできませんでしたが、積極的に問題解決に関わってくれました。
 コーディネーターとして田中先生は発表生徒以外の生徒も積極的に参加できるように、パネリストの発言に対し、論点を明らかにし、どのような点が問題なのか生徒にわかりやすく 示していただきました。その結果、会場全体を巻き込んだ対話が実現できました。
 このシンポジウムを通じて、教室内で行われる議論ではなく、現実社会で行われている議論とはどのようなものか、本校1・2先生は身をもって体験することができました。 また、この取り組みを通じ、社会に参画する意識を高めるとともに自らが主権者としての自覚を深めることことができました。
 最後になりましたが、シンポジウムの開催にあたり、知立市役所企画政策課様および岐阜大学教育学部の田中伸先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。

 シンポジウムにおける生徒の提言
 ・「外国人住民に情報を幅広くインターネットで伝える取り組み」
 ・「子どものいる家庭を対象とした外国人市民と日本人市民の交流の取り組み」
 ・「整備されていない草や歩行者用の道を整備するための条例案」
 ・「多文化共生ウィーク」


総合的な探究の時間「共生社会とは‐多文化共生社会の実現に向けて」

 7月7日(金)第1学年、総合的な探究の時間「共生社会とは」の中で、一般社団法人DiVE.tv様の御協力のもと、「多文化共生社会の実現に向けて」と題した主権者教育を実施しました。
 この日を迎える前に、事前学習として生徒は6月30日(金)にDiVE.tvの代表理事を務められている牧野佳奈子様から、「多文化共生とは何のため?」と題したお話を聞きました。 その内容をもとに、公民科の「公共」の時間で多文化共生についてインターネット等を活用し事前調べを行いました。
 当日、午前中に普段外国人支援などに携わっている6名の方を外部からお迎えし、6つの分科会に分かれ、多文化共生社会を実現するための問題や課題などのお話を聞きました。 それを受けて、生徒が問題や課題をどのように解決していくのかグループで考え、発表しました。 そこで学んだ内容を全体で共有するために、講師と生徒を含めた全員で「多文化共生トークセッション」と題した対話を行いました。 トークセッションでは、各分科会から代表生徒2名を選出し、分科会の報告や自分のグループが考えたアイデアを1年生全員の前で発表しました。 それを受けて、会のファシリテーターとして岐阜大学教育学部准教授の田中伸様に論点を整理していただき、代表生徒と講師の方々がそれぞれ意見を述べ合いました。 会場の生徒からも活発な意見が出て、生徒は多文化共生についてより深く理解することができました。
 午後は、実際に学校周辺に出かけ、多文化共生の問題点を探るフィールドワークを行いました。知立市役所や近隣の保育園にインタビューに出かけるグループや、 徒歩で知立団地に向かい、多文化共生社会を実現するために知立市や地域社会がどのような取組を行っているか調査をしました。
 今後は、夏休みに個人やグループでの調査を行い、9月21日(木)に予定されている「知立市の未来を考えるシンポジウム‐多文化共生の未来都市知立の実現に向けて」 での発表につなげていきたいと思います。
 この会を開催するにあたって、企画段階から御協力いただきました、一般社団法人DiVE.tvの牧野様および講師の方々、岐阜大学の田中伸様には大変お世話になりました。 ありがとうございました。

(分科会)
① 【地域づくり】講師:吉村 迅翔 様(JUNTOS)
② 【労働】   講師:加藤 将司 様(合同会社 継続舎)
③ 【交流】   講師:内藤由美子 様(刈谷市国際交流協会)
④ 【子育て】  講師:清水きよ恵 様(一般社団法人オクシモロンズ)
⑤ 【情報】   講師:永田 亮佑 様(知立市役所企画政策課)
⑥ 【自己実現】 講師:牧野佳奈子 様(一般社団法人DiVE.tv)
  • 分科会の様子
  • 分科会の様子
  • トークセッションの様子
  • トークセッションの様子
  • フィールドワークの様子
  • フィールドワークの様子

令和4年度

知立市主催「SDGsアイデアコンテスト2022」

 令和5年3月12日(日)知立市の猿渡公民館において、知立市主催「SDGsアイデアコンテスト2022」が行われ、本校1年生の野村さんが参加しました。
 野村さんは、9月に本校で実施した「知立市の未来を考えるシンポジウム」において知立市への政策提言を発表しました。その内容を実現するためにシンポジウム後も独自に調査するとともに、 知立市主催の「SDGsカードゲーム」などの研修会に参加し、SDGsや地域課題の解決について研究を進めてきました。
 その中で、知立市における高齢者の増加と介護職員の不足という問題をとらえ、コンテストでは、「世代を超える交流会の開催」というタイトルで、 高齢者と若者が交流する機会の創出をテーマとし、その具体的な施策について発表しました。
 野村さんは、高齢者と若者世代が気軽に交流する新しいアイデアとして「スマートフォンのオンラインゲームを利用した交流」を提案しました。 これは、本校シンポジウムにおける野村さんの発表に興味を示していただいた知立市役所長寿介護課の協力を得て、野村さん自身がアイデアを出し、 実際に知立市内のデイサービスで実施した体験を元にしています。
 コンテストは、野村さんの他、愛知教育大学や愛知大学の方々が参加しましたが、審査の結果、野村さんが最優秀賞を受賞し、知立市長より賞状をいただきました。
 1年生で7月に実施した総合的な探究の時間「知立市役所@知立東高校」から始まり、夏休み中の調査活動、9月のシンポジウム、知立市役所との連携を経て、 このような賞を受賞することができました。知立市役所企画政策課の方々をはじめ、多くの方に協力をいただきました。 今後も、高校生が主権者として社会に参画する意識を高める活動を進めていきます。


知立市議会主催「高校生議会」

 12月27日(火)、知立市役所において知立市議会が主催する「高校生議会」に本校2年生の生徒4名が高校生議員となり参加しました。
 同じく高校生議員をつとめる、知立高校の方々と2回の準備会合を行い、「高校生議会」で取り上げるテーマを決め、それをもとに知立市の地域課題について調査活動を行ないました。
 当日の「高校生議会」では、本会議場で知立市議会議員の方々の出席のもと、知立市議会議長による会の趣旨説明があり、知立市長から高校生議員に激励の言葉をいただきました。 その後、本会議が始まり本校2年生の森口さんが議長に選出され、議事を進行しました。森口議長のもと、会期の決定および各委員会委員の指名および協議テーマについて高校生議員で議決し、 高校生議員と市議会議員は各委員会にわかれ、テーマに沿った協議を行いました。以下は高校生議員が準備会合時に話し合い、 高校生議会で協議することを決めたテーマと高校生議会で特別に設置された担当委員会です。
 「LGBTについて」(LGBT検討委員会)
 「選挙の投票率向上について」(選挙検討委員会)
 「税金(ふるさと納税など)について」(税金検討委員会)
 「知立駅付近とその他の地域の開発について」(知立市の開発検討委員会)
 「外国人との共生について」(多文化共生検討委員会)
 本校生徒は2名ずつ、選挙検討委員会と税金検討委員会に所属して市議会議員の方々に調査してきた内容と政策提言を発表し、市議会議員の方々と議論をしました。 委員会では、市議会議員の方がファシリテーター役をつとめてくださり、高校生と市議会議員の方々の議論を上手くまとめていただきました。 例えば、本校生徒は知立市の税収(収入)を増やすために、他市でもおこなわれている「マッチングギフト」などの取組を紹介し、その効果について説明し提案しました。 また、別の本校生徒がクラウドファンディングについて、リターンの内容などを具体的に提案しました。税金検討委員会のファシリテーターからは知立市がおこなうクラウドファンディングは、 「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」といい、必ずテーマが必要であること。これまで地域猫の不妊手術費用などで実績あることを教えていただきました。 その中で「なぜ税収(収入)を上げなければいけないか」という本質的な問いが高校生議員に投げかけられ、今解決しなければならない地域課題は何かなど、 より深く知立市の課題を考えることができました。
 各委員会では、活発な議論が行われ、予定されていた時間を超過してしまう委員会もありましたが、委員会での議論を市議会議員の方々と協力してまとめ、 各委員会における高校生議員の代表者が本会議場でそれぞれ報告をしました。その後、知立市議会副議長から各委員会の報告に対し講評をいただき、高校生議会は閉じられました。
 昨年度に引き続き参加させていただいた知立市議会主催の「高校生議会」ですが、市議会議員と高校生が真剣に議論をする場を与えていただいたことで、 生徒は地域課題についてより深く理解し、その解決策について考えることができました。もうすぐ選挙権年齢に達する生徒達にとって、この「高校生議会」は政治を身近なものとし、 主権者としてどのように政治に関わるかを考える貴重な機会を与えていただきました。知立市議会および知立高校のみなさまありがとうございました。


知立駅前周辺未来構想~CHIRYU・TRAIN・PARK」説明会に本校生徒(希望者8名)が参加しました

 この会は、令和10年度完成予定の知立駅付近連続立体交差事業に平行して進める駅周辺の再開発事業において次世代を担う高校生や大学生と大人がディスカッションし、 具体的な方策や、アイディアなどについて意見交換を行う説明会でした。
 令和4年12月11日(日)の午前中、知立市商工会館での説明会に参加した生徒の感想(一部)を紹介します。

2年4組 土井 佑香さんの感想
 知立高校の生徒さんや、大学生、大人の方々など、普段関わることのできない人との話し合いは、とても良い経験になりました。
 知立市の計画は、とても大きなもので、大変そうだなと思いました。でも、人を集めるために公園を作るのにも、 健康器具や遊具を併用していろいろな世代のための公園になるようにしたり、駅の高架下を利用して人を集められるように工夫するというように、 いろいろな面から考えられていていいなと思いました。
 自分の意見をたくさん発表して積極的に議論に参加できたと思うので良かったです。自分とは違う方々の目線からの意見をたくさんお聞きすることが出来て、 新しい発見ができました。これから、駅前の再開発が進むなか、今回の会議で話し合ったことが、少しでも役立ってくれたらうれしいです。 また、自分の意見を求められた時、人前で自分の意見を発言することは大切だと感じました。今回の経験を生かして、これから過ごしていきたいです。

2年2組 太田 雅大さんの感想
 思っていたより和やかな雰囲気で、リラックスして話し合うことができました。いろいろな人の価値観を知ることが出来るいい機会になりました。
 また、グループワークを通じて話し合いの進め方、意見のまとめ方なども学ぶことができて、将来話し合いの場で役立つような知識も得ることが出来ました。
 今後もこのような話し合う機会があったら、積極的に参加したいです。

 参加したみなさんがそれぞれ得た知識や経験は、将来どこかで役に立つと思います。また、今回参加できなかった生徒のみなさんも生徒会室前の掲示板や、1年生は「公共」、 2年生は「政経」の授業を通して紹介しますので、ぜひ新しいことに挑戦してみましょう。


令和4年度総合的な探究の時間「知立市の未来を考えるシンポジウム」

 9月22日(木)の午後、「知立市の未来を考えるシンポジウム」と題し、知立市の地域課題とその解決法をテーマとして、本校代表生徒と知立市役所職員の方々で対話をしました。
 本校では第1・第2学年の「総合的な探究の時間」において「地域課題研究」として「知立市の地域課題の解決」を題材とし、学年全体で取り組んできました。 このシンポジウムはその成果を発表するとともに、自らの提案が現実社会において通用するかどうかを考える機会となります。
 当日は、知立市役所企画政策課から山本様、藤本様をお迎えし、生徒の提案について疑問点や改善点を指摘していただきました。 また、生徒と市役所職員の方々の対話が上手くいくように愛知教育大学から西尾先生をお招きし、シンポジウムのコーディネーターをお願いしました。
 まず、2年生の蜂須賀さんが「住みやすいまちづくりを市民(主に青年世代)が主体となっておこなう」という提言を、続いて、1年生の野村さんが 「若い世代と高齢者との交流の機会を増やす」という提言を発表しました。その後、シンポジウムのパネリストとして2年生の高部さんを中心としたグループが、 「知立市の道路を改修するための資金について」という提言を、そして1年生の杉浦さんを中心としたグループが、「一石二鳥知立市ゴミ拾い選手権」という提言をしました。
 発表後、知立市役所の方々からそれぞれ疑問点などを指摘していただきました。例えば「道路改修」については、資金調達の継続性や従来の住民税に加え、 市民に寄付を募ることの是非についての質問がありました。また、「ゴミ拾い選手権」については、日本人と外国人の交流が盛り込まれているが、 どうしても日本人も外国人もそれぞれのコミュニティーでまとまりがちになるため、そうならないような方策はあるのかと問われました。
 パネリストの生徒グループは、それぞれの問いに対して真剣に考え、自らの考えをまとめ発表しました。それに対して再度市役所の方からの問いかけや、西尾先生による論点の整理により、 問題をより深く追求することができました。
 会の最後に西尾先生から、「道路改修」については、お金の問題を正面から取り組もうとした点は、今の知立市が抱える課題に正面から取り組んだ案として評価できるが、 「誰がどれだけ負担するか」という現実的な問題に対して深く考える必要があると指摘していただきました。また、「ゴミ拾い選手権」について、 1つのイベントで複数の効果を狙った点は評価できるが、継続性の問題や様々な問題が起きたらどのように対策するのかという、クリティカルシンキングの必要性について教えていただきました。
 このシンポジウムを通じて、地域社会の問題を様々な人の立場を考えることの重要性を学び、社会に参画する意識を高めることができました。 最後になりましたが、シンポジウムの開催にあたり、知立市役所企画政策課様および愛知教育大学の西尾先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。

生徒の提案例
「ゴミ拾い選手権を開催しよう」
「高齢者との交流」
「住みやすいまちづくり」
「知立市の道路改修について」


令和4年度総合的な探究の時間「地域課題研究‐知立市役所@知立東高校」

 7月8日(金)第1学年、総合的な探究の時間「地域課題研究」の中で、総務省および知立市役所の御協力のもと「知立市役所@知立東高校」と題した主権者教育を実施しました。
 まず、総務省の「主権者教育アドバイザー」であり、主権者教育の分野で活躍されている福井大学の橋本康弘教授より、「地域課題の調べ方」と題した講義をしていただきました。 次に知立市役所企画部企画政策課地方創生SDGs係の山本和弘様から、現在知立市が直面している諸問題について説明をいただきました。 それらをもとにして、後半は知立市役所から9名の方を学校にお招きし、生徒が以下のコースに分かれ、それぞれの課題についてその概要を知るとともに、 解決策を構想し知立市職員の方々に提案し評価を受けるというワークショップを行いました。

① 【まちづくり・総合計画】住み続けたいまちってどんなまち?(担当:企画政策課地方創生SDGs係 藤本佳織様)
② 【子育て・移住定住促進】子育て世代の移住・定住を促進するためには?(担当:企画政策課地方創生SDGs係 山本和弘様)
③ 【多文化共生】日本人と外国人の壁を取り払うには?(担当:企画政策課地方創生SDGs係 永田亮佑様)
④ 【DX(デジタルトランスフォーメーション)推進】スマートシティ(ICTを活用したまちづくり)に必要なものは?(担当:企画政策課DX推進係 松野良平様)
⑤ 【賑わい創出】中心市街地を盛り上げるためには?(担当:経済課商工観光係 尾崎雅宏様)
⑥ 【ふるさと納税】ふるさと納税を増やすには?(担当:財務課財政係 原康之様)
⑦ 【広報】広報の読者を増やすには?(担当:協働推進課秘書広報係 五藤千夏様)
⑧ 【高齢福祉】地域の担い手を増やすには?(担当:長寿介護課地域支援係 橘川武史様)
⑨ 【文化振興】池鯉鮒宿の歴史や、文化の活用方法とは?(担当:文化課文化振興係 糟屋正人様)

 生徒は自らの興味・関心に従いコースを選び、グループで課題の解決策を考えました。
 例えば、「広報の読者を増やすには」という課題に対して、生徒はSNSを使った告知や、広報紙やホームページを見ることで答えられるクイズなどを掲載し、 それに答えることによりポイントが付き、市内のお店へのサービス券など特典を与え読者を増やすというような提案を行いました。 しかし、担当者の方から、特典を付けるには大きなお金がかかり、市、お店、市民へのメリットはどのようなものか考える必要があると教えていただきました。 また、「日本人と外国人の壁を取り払うには?」という課題に対し、日本特有の情報を外国人に知ってもらう機会が必要と教えていただいた上で、 「多文化コラボレーションフェスティバル」と題した日本人住民と外国人住民が一緒に料理やゲームをおこなうイベントを提案しました。 それに対して知立市職員の方からは、経済面のことを考えるとともに、自分自身そのようなイベントがあれば参加したいかどうか、自分に落とし込んで考えることが求められました。
 生徒は活動を振り返り、知立市役所が地域のために様々な問題解決を行っていることに気づくと同時に、実際に解決策を考えてみて、 限られた予算の中でより効果的な解決策を考えることの難しさを知ることができました。また、今日取り上げた課題以外にも地域には多くの課題があり、 それがどのようなものか自ら調べてみたいという感想を持つ生徒も多数いました。
 今後は、この活動をスタート地点とし、公民科の新科目「公共」と連携し、夏休み中の知立市の地域課題とその解決策について個人で調査を行います。 その成果を9月以降の「総合的な探究の時間」や「公共」でまとめ、クラス内での発表および評価を経て、9月22日に行われる「知立市の未来を考えるシンポジウム」 での発表と知立市役所職員の方々との対話につなげていきます。


令和3年度

Discuss Our Society@chiryu
―社会を科学する!理想の社会をデザインし提案してみよう

 3月3日(木)、本校において知立市役所および岐阜大学教育学部田中研究室の協力のもと、第2学年の公民科「政治・経済」の授業において、 「社会との対話」を目的とした授業を行いました。
 授業の内容は、知⽴市の地域課題の解決に対して、サブスクリプションを活用しての解決策を、大学生や市役所職員の方々との対話をもとに、立案および提案をするというものです。 授業の冒頭で、岐阜大学大学院在学中の中山先生より、トゥールミンモデルを使って社会を科学的にみる方法とサブスクリプションについてのお話を伺ったあと、 グループに分かれて政策立案をしました。
 最初の立案では、「防災グッズのサブスク」などが提案されましたが、市役所の方から「本当に防災グッズに対してサブスクを使いますか」という問いかけを受け、 その内容に対して深く考える必要を感じ、案を練り直しました。
 立案する過程において、市役所の職員の方、大学生の方がアドバイザー役として、生徒からの様々な疑問に答えていただきました。その結果、最終的に以下にあげる案を生徒は提案しました。
 (生徒の政策提案の例)
・「コミュニティーバスが入れない小道にも入ることができるお迎えタクシーサブスク」
・「夜間ベビーシッターサブスク」
・「おもちゃのレンタルサブスク」
・「防災グッズ、防災バッグのサブスク」
・「健康診断サブスク」など
 授業後生徒からは「自分が住んでいる町について『サブスク』という要素を用いながら考えることはとても新鮮で面白かった」という感想や、 「サブスクリプションを活用するという前提で知立市の課題を解決することは、サブスクの利点や経済効果を兼ねた上での課題解決が求められていたので非常に頭を悩まされました」 といった声が聞かれました。また、「『社会を科学する』のはすごくおもしろい」「大学の先生や市役所の方々のお話を聞き、様々な改善点を知ることができたので、 また機会があればこのようなディスカッションをしてみたい」というような声が聞かれ、現実の社会に対して深く考える授業ができたのではないかと思います。
 授業を行うにあたって、知立市役所企画政策課、まちづくり課、岐阜大学の方々など多くの方の協力をいただきました。ありがとうございました。


知立市主催「SDGsアイデアコンテスト2021」

 令和4年1月30日(日)に知立市中央公民館において、知立市主催「SDGsアイデアコンテスト2021」が行われ、本校生徒が参加しました。
 本校からは昨年11月に行われました、「知立市の未来を考えるシンポジウム」でパネリストをつとめた2チームが参加しました。 両グループは、シンポジウムで知立市若手職員から指摘された点について、冬休みに調査を進め、それをSDGsを達成するためのアイデアとしてまとめ発表しました。
2年生の山田さんは「M+(まなびたす)」と題した、子どもがつくる子ども文化共生イベントを、また、同じく2年生の太田さん、早川さん、ラフィさんは 「だれでも楽しく学べる防災イベント」を企画し提案しました。
 それぞれのグループは、市役所に出向き、自ら考えたアイデアを担当する職員の方へのインタビューを行い、自らが考えたアイデアをどのようにしたら実現できるか考えまとめました。 そして、その成果をコンテスト当日、知立市長をはじめとする審査員の前で発表しました。
 発表後は、審査員からアイデアに対して質問があり、これまで調べてきたことをもとに答えることができました。 また、コンテストには本校生徒の他に、愛知教育大学、愛知大学、知立市若手職員プロジェクトの発表もあり、様々なアイデアやそのまとめ方、 プレゼンテーションの方法などを学ぶことができました。
 コンテストの最後に審査発表があり、山田さんが優秀賞、太田さん、早川さん、ラフィさんのグループは努力賞を受賞しました。
 夏休みからスタートした「地域課題研究」で調べた内容やアイデアが、11月のシンポジウムで外部の人たちと討論することにより深まり、 このアイデアコンテストでより具体的に提案という形で発表することができ、社会に参画する意識をより高めることができました。



令和2年度

【主権者教育(総合的な探究(学習)の時間の活用)】
1 総合的な探究(学習)の時間の活用
  平成28年度から30年度までの3年間、愛知県教育委員会から指定を受けて実施した高等学校教育課題研究指定校事業「公民科による主権者教育の取組」の成果を活用し、 今年度も総合的な探究(学習)の時間を活用して、岐阜大学教育学部准教授、田中伸先生に指導をお願いし、主権者教育の取組を継続しました。
  この取組では、総合的な探究(学習)の時間の趣旨を踏まえた探究活動を実施し、同時に、生徒たちが自分たちが暮らす地域の未来を主体的に考える機会としています。 生徒は探究活動を通して主権者としての態度を身に付け、社会に参加する上での自己有用感の向上にも貢献したと考えられます。
2 今年度の実施内容
 (1) 主権者教育基調講演(10月16日実施)
   本校山田智子教諭を講師に、地域課題を考える際の視点を講演しました。地域の課題を発見するための視点や、より説得力のある主張にするための根拠の集め方、 過去の発表の良かった点などを伝えて探究活動の方法が示されました。
 (2) 各クラスにおける探究活動
   基調講演を受けて各クラスごとに探究活動を進めました。今年度は知立市長選挙が行われることに合わせて、「プレ市長選」と銘打ったので、 「自分たちが知立市長になったらどんな政策を実現するか」というテーマでグループごとに探究しました。
    その結果、2年生から「福祉の充実により全ての人が笑顔で暮らせるまち」と「SNSを用いた歴史紹介による地域活性化」の2グループが政策討論会の発表者に選ばれました。
 (3) 「プレ市長選 高校生政策討論会」(11月20日実施)
   岐阜大学教育学部准教授田中伸先生をコーディネーターにお招きし、知立市役所の若手職員と代表生徒の間で提案された政策についての意見交換が行われ、 最終的にはフロアの生徒が挙手によって投票を行いました。事前に田中伸先生のゼミに所属する大学院生が、代表生徒に対して指導を入れていただいたおかげでまとまりのある発表になりました。
    知立市役所若手職員の方々には毎年参加していただき、実際の行政を担当する立場から生徒の発表に対する指摘をいただいています。田中伸先生の巧みなコーディネートによって、議論が白熱し、 フロアからも積極的な質問が出されました。田中伸先生、岐阜大学大学院の皆さん、知立市役所の方々、本当にありがとうございました。



県立高等学校教育課題研究指定校事業

~未来を担う人材の育成を目指して~
公民科による主権者教育の取組
研究テーマ:「高校生を地域社会の担い手とする公民科授業の研究」~地域社会における「共生」をテーマとして
研究期間:平成28年度~平成30年度

 知立東高校は、愛知県教育委員会から研究指定を受け、「公民科による主権者教育の取組」を3年間かけて行いました。
 これは、選挙権年齢が満18歳以上となったことを踏まえ、国家・社会の責任ある形成者となるための教養や行動規範を身に付けさせるとともに、 主体的に社会に参画し、自立して社会生活を営むために必要な力の育成を目指す取り組みです。


平成30年度

研究授業
講演会等

平成29年度

研究授業
講演会等

平成28年度

研究授業
講演会等
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